【駆】 14画 馬(4) 4級
旧字体【驅】 21画 馬(11) 1級
交換略字【駈】 15画 馬(5) 準1級
[音] | ク |
[訓] | かける |
かる |
《意味》
【駆け馬に鞭】かけうまにむち
勢いのついているものにさらに力を加えて勢いをよりいっそう激しくするたとえ。
「火に油を注ぐ」
【駆けつけ三杯】かけつけさんばい
宴会などで、遅れて来た者に罰として酒を続けざまに三杯のませること。
【駆(け)引き】かけひき
【駆除】くじょ
害を与えるものを追い払うこと。
【駆馳】くち
【駆逐】くちく
【駆梅・駆黴】くばい
梅毒をなおすこと。「駆梅剤」
【朝駆けの駄賃】あさがけのだちん
いとも簡単にできることのたとえ。
「行き掛けの駄賃」をもじった言葉で、朝方は馬も元気だから、ちょっとぐらい荷が重くてもなんなく走る意から。
「朝飯前のお茶漬け」
【悪貨は良貨を駆逐する】あっかはりょうかをくちくする
名目上価値が等しく、質の異なる貨幣がある場合、良貨はしまい込まれたりして姿を消し、悪貨だけが市場に流通する。
英国人グレシャムの唱えた経済法則「グレシャムの法則」より。
また比喩的に、悪が栄えれば善が滅びるという意にも使われる。
【以魚駆蠅】いぎょくよう
誤った手段、方法を用いると、目的が達成されないばかりか、逆効果を招きかねないことのたとえ。
蠅の好む魚を振り回して追い払おうとしても、逆に蠅が集まってくる意。
書き下し文は「魚を以て蠅を駆る」
「以肉去蟻 」
【押っ取り刀で駆けつける】おっとりがたなでかけつける
急いでその場へ行く。
緊急の場合に、刀を腰にささず手に持って駆けつけるということから。
【群羊を駆って猛虎を攻む】ぐんようをかってもうこをせむ
多くの弱小国を駆り出して、連合して強国に対抗することのたとえ。
弱い羊を多数集めて強い一匹の虎を攻める意から。
【疾駆】しっく
車・馬などを速く走らせること。また、速く走ること。
【先駆】せんく
【前駆】ぜんく
馬に乗って行列を先導すること。さきのり。さきがけ。先駆。
比喩的に、ある物事が起こる前ぶれの意でも使われる。
【馳駆】ちく
【長駆】ちょうく
【追駆】ついく
あるもののあとから追いかけること。
【抜(け)駆けの功名】ぬけがけのこうみょう
他人を出し抜いてたてた手柄。
【鼠捕らずが駆け歩く】ぬずみとらずがかけあるく
役に立たない者が忙しそうに駆けずり回る。能のない者が騒ぎ回るのを皮肉っていう。
「鼠捕らず」は、鼠を捕らない猫の意で、役立たず、能なしのこと。
【並駕斉駆】へいがせいく
力や能力に差がないこと。
「駕」は車につなぐ馬。「駆」は馬や車を走らせる。御者が車を引く実力の異なる馬四頭を並べ、うまい具合に操り、きちんとそろえて走らせる意から。
「並び駕し斉しく駆る」
【夜討ち朝駆け】ようちあさがけ
新聞記者などが、情報などを得ようとして深夜あるいは早朝に相手の自宅を訪問すること。
もとは、「夜討ち」は夜に、「朝駆け」は朝に敵を攻撃することをいう。夜間や早朝に馬を走らせて、不意に敵陣を襲撃することから。
「夜討朝駆」ともいう。
【余勢を駆る】よせいをかる
何かを成し遂げたその勢いのままに、次のことに取り掛かる。勢いに乗る。
《字源》
声符は「区・區(く)」。
《字体》
「駈」の字体は、説文篆書には見えず、隋頃には見える「驅」より後にできた字。
現代日本では、訓読みのみに使用される。